本稿は、筆者が Newlab というニューヨークに拠点にハードテックスタートアップの支援を行っている会社で働く中で感じた学びについて書いている連載の2本目になります。
Vol.2:Venture Studioに入った経緯 👈今回はここ
Vol.3:Venture Studioでの仕事内容
Vol.4:ハードテックを前に進めるデザインとは?
今回は、筆者がNewlabのVenture Studioで働くことになった経緯について書きました。
ベンチャースタジオという業態自体がまだ希少なので、一般には認知されてはいませんが、個人的にはデザインストラテジストやストラテジックデザイナーといった職種の人が価値を出しやすい環境だと考えているので、こうした領域に関心を持っている人の参考になれば幸いです。
なぜデザインスクール留学生がNewlabに?
前回はNewlabの概要や歴史についてご紹介しましたが、そもそもデザインスクールに留学している私がなぜデザインファームや企業のイノベーション部門ではなく、Newlabをインターン先に選んだのでしょうか?
実際のプロセスを振り返ると、以下のような流れでした。
① 2022年の初めにパーソンズの同級生とランチをしていた際に、Newlabの存在を知る。その時に「なんとなく面白そうな会社だな」ぐらいの認識を持ち、月に一度くらい動向を探るためにホームページをチェックしていた。
② 2022年3月末に別の会社でのインターンがほぼ決まりかけていたタイミングで、Newlab Venture Studioのインターンの募集要項をホームページで見つけた。
③ 募集要項(JD)を読んだ瞬間に「この求人を満たすことができるのは自分しかいない!」とポジションに一目惚れ。(実際のJDを最後に載せておくので気になった方は是非)
④ 面接をしてもらった2名と圧倒的に波長が合った
という感じで、かなり直感に従って動いておりました。
改めて振り返ってみると、大きく3つのポイントを魅力に感じたのだと思います。
1. 大学院で学んでいる内容をそのまま実践で試せる環境だと感じた
現在通っている、パーソンズのStrategic Design & Management修士(SDM)では主にデザインリサーチ、サステナブルなビジネスモデルデザイン、デザイン起点のイノベーション、共感型リーダシップといったテーマについて学びます。
大学院でも産学連携型の実践的なプロジェクトには取り組めるものの、どうしても学生同士でのグループワークになるので、コミットメントや質へのこだわりという点でやや物足りなさを感じていました。
そんな中、実際の新規事業のデザインに取り組めることは大きな魅力でした。
2. ハードウェアやマテリアルなど「リアルなテクノロジー」に関わる事業
筆者はメーカーでキャリアをスタートさせていたこともあり、デジタルサービスよりも有形のプロダクトやテクノロジーに馴染みがありました。
昨今では、プロダクトといえばデジタルサービスやアプリを指すことが当たり前になりつつあり、リアルなプロダクトの企画者やデザイナーが活躍できる機会が減っている肌感覚(ちょっとした肩身の狭さも・・)を感じていたので「ハードウェアのPM経験がある人求む」とJDに明記されていたのを目にしてとても嬉しくなったのを覚えています。
3. Venture Studioの仕組みに対する興味
卒業後のキャリアの方向性を考えるため、兼ねてよりUSで働くパーソンズ卒業生の方々に話を聞いてきましたが「デザイン思考のスキルや経験を身につけたいならデザインコンサルに行くべし。ただし立場上、事業上の意思決定にはあまり深く関われないので、事業がやりたいなら事業会社行くか起業すべし」というアドバイスを頂いたことがありました。
自分は元々どちらかといえば事業側が好きで、向いている自覚があったものの「せっかくデザインの道に足を踏み入れただから、ある程度プロとしてのスキルをつけるためにも2年くらいはコンサルにいた方が良いのかな」と悩んでおり、実際にデザインコンサルのインターン選考も受けていました。
そんな時にNewlabのVenture Studioについて知りました。業務内容を聞いて、起業とプロフェッショナルファームの丁度中間のような働き方ができるという点で、まさに自分が求めていた機会なのでは!?と感じました。
また、チーム自体も出来たばかりで発展途上のステージにあり、組織作りやプログラムの磨き込みから関われそうと思えたことも魅力でした。
改めて振り返ってみると、まさにスティーブ・ジョブズの "Connecting the dots" の如く、自身の過去・現在・未来を繋いでくれる素晴らしい機会に恵まれたと感じています。
まとめ
今回は短めかつ主観的な話でしたが、キャリアや採用の観点での学びがありました。
・自分に合った仕事に出会うためには、普段から知人や先輩と会話の場を持ち、自分の嗜好をある程度自己認識、言語化しておくことがとても大切。
・JD (Job Description)とはまだ見ぬ採用候補者に対するラブレターであり、真摯に向き合い、自分の言葉で書くことがとても大事。
最後に、参考までに自分が応募したインターンのJDの一部を載せておきます。
候補者に求めるスキルだけでなくマインド (e.g. hands-on creator)が明記されている上、インターンで得られるもの(報酬)にもちゃんと触れられている点がgoodだと思います。
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Masters Intern, New Venture Build
Newlab
The Opportunity
We’re looking for a New Venture Build Masters Intern to support the Venture Studio for the summer of 2022. This will primarily focus on identifying, validating and communicating new business concepts to gain buy in from our Advisory Board.
You are:
A hands-on creator: You’ve worked in hardware or biotech before and been a part of bringing physical or biological products to market.
Multi-dimensional: you feel equally comfortable talking about customers, product builds, or financials and want to know more about all aspects of a product to ensure its success.
The validator: You see potential where others don’t and you’re compelled to substantiate that intuition through data and experimentation.
The Role
We know that resumes are not an effective way to find diverse, capable talent. So we’re throwing them out. If you think you can do the job described below, show us by answering two questions through our hiring platform, Applied. We’ll review your anonymous answers and get back to you within approximately one week.
The New Venture Build Masters Intern will work directly with the Chief Venture Builder and senior team members to create new ventures in partnership with scientists and entrepreneurs. You will:
Surface and validate opportunities for new business creation, including market research, trends analysis and expert interviews
Validate and create technology-forward business concepts including ideation, workshop facilitation, concept testing, market sizing, customer validation, prototype testing, etc
Develop pitch decks and get data for better decision-making by senior stakeholders including the Venture Studio advisory board, partners and resident experts
Assist with codification of “the way we do things” including discovery research, insight development, playbooks, etc.
In case you’re not sure if the above is you, some of the backgrounds that may suit this role are (but are not limited to):
Hardware / biotech experience across:
Design thinking / new product design
Engineering / Product Management
Finance / investment / venture capital
What You Will Get Out of this Internship
2-3 portfolio projects directly relevant to building new ventures. Example projects:
Market and trend research to identify best spaces to launch new businesses in the cellular agriculture space.
Build an investment pitch deck to communicate the opportunity a medical diagnostics device offers for a potential CEO.
Exposure to Newlab leadership, culture, ecosystem and mindset including monthly All Hands, Venture Studio team meetings, offsites, etc.
Personal and professional coaching and development from the senior team in the Venture Studio (backgrounds: Boston Consulting Group Digital Ventures, Antler, Human Ventures) and access to our networks to assist with your future career development
We do not at this time have an immediate permanent role we are recruiting for but consider interns as part of our larger recruiting pool for future roles. The team is growing rapidly and we will look to expand permanent staff particularly in 2023.
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